45歳からの生活改善~人生をより楽しく生きるために~

※アフィリエイト広告を利用しています

「う、う~ん……」

閉じたまぶたの上から、朝の光が網膜を照らす。まぶしさから自然と今の時間を推測する。

(もうすぐアラームが鳴る時間だな……)

そう思った矢先、無機質な電子音が鳴る。

6時50分のアラーム。僕の起きる時間だ。

布団の中で伸びをする。まだまだ布団に包まれていたいところだが、出社の時間は待ってはくれない。もそもそと芋虫のように布団から滑り落ち、目をこすりながらのそのそと階段を下りてトイレのドアを開ける。僕のルーティーンはトイレの便座に腰掛けるところから始まる。

トイレを出たらそのまま洗面台へ。

僕は目が悪い。家の明かりのスイッチの位置や階段の高さや幅なんかは、身体が覚えているから見なくても動けるから問題ない。だけどそれ以外の事は、ほとんどできないことの方が多い。

冷水で、ねばつく顔をゴシゴシする。おでこなんて、猫が爪を立てて踏ん張らないと滑るくらいにオイリーだ。

ひとしきり顔を洗ったら、そのまま真水で口をすすぐ。口の中だってなんだか粘っこい。気のすむまで口をすすいだら水を止め、タオルで顔をゴシゴシして水気を取る。

ど近眼の僕が目を瞑ったままでもできることはこれだけ。あとは今からやるコンタクトレンズの装着くらいだ。これは鏡を見ずともできる。左の人差し指にレンズを乗せ、右手でまぶたを開いてレンズを押し込む。表面張力で眼球にレンズが張り付いた感触を味わいながらパチパチと瞬きをしてなじませる。

これを両目とも行って、ようやく僕は人並みの視力を手に入れる。17歳のころから続けている習慣だ。メンドクサイなんて感情は、とっくの昔にどこかへ置いてきた。

ふーっとひとつ、大きく息を吐いて鏡を見る。僕だ。

青々と茂ったヒゲ面。さっきあんなにこすったのに、それでもまだテカる顔の皮脂。前髪をたくし上げると、悲しいM字ハゲがベジータをほうふつとさせる。

(ベジータはM字でもあんなにかっこいいのにな……)

ミノキシジル5%含有の塗布剤を手に取り、スポイトで1回分を吸い上げ、患部(頭皮)に塗布する。このミノキ含有剤、個人輸入で購入し始めてからもう2年半が経つのだが、果たして効果は上がっているのか。

答えは分からない。効果のほどが知りたければ、ミノキシジル塗布をやっていない世界線の僕に聞いてみるしかない。なんなら、妻や子どもにはいつもそう答えている。

頭皮ケアが終わったら、今度はこれ見よがしに毎日生えてくるヒゲにカミソリを入れる。僕のヒゲはかなりの剛毛で、並みの電気シェーバーでは半年もつかどうかで壊れてしまう。いつだったかは忘れてしまったが、ある時電気シェーバー代を惜しんでT字カミソリに代えてから、もうずっとカミソリでヒゲを剃っている。

肌を傷つけながら日課の髭剃りが終わると、やっと歯磨きだ。

歯磨き粉を乗せた歯ブラシを口に放り込んでリビングのソファに腰掛ける。先に座っている妻に舌打ちされ、少し距離をあけられるのはいつものことだが知ったこっちゃない。これは僕の働いた給料で買った僕のソファだ。僕が座って何が悪い?

「……あんた昨日も遅くまでゲームやってたでしょ。少しは控えたら?」

(……チッ、うっせーな。こちとら毎日クソみたいな仕事やって稼いできてんだ、趣味のゲームくらい好きにさせろよ)

そんなことが頭をよぎるが、朝から口論なんてもってのほかだし、そんな元気もない。柳のように妻の文句を受け流し、洗面台へ口をすすぎに行く。

この時点で7時10分くらい。二階の自室へ戻って作業着に着替える。僕の会社は、機械器具製作メーカーとして自動車製造業の末端に籍を置くしがない中小企業だ。

通勤は、車で7分もあれば着くくらい近くにある。僕がこの会社にエントリーした理由の大部分がこの「家からの近さ」だ。

菓子パンを車の中で頬張って通勤するのが日課だ。

こう見えて僕は製造部の係長だ。

主な仕事は製造日程の計画・管理、現地工事の計画・人員調整・日程管理だ。最近仕事のボリュームが増えすぎて残業がかさみ、毎日20~21時まで仕事をしている。

帰ってくると妻や子どもはもう食事を終え、それぞれに好きなことをしている。

電子レンジに入ったお皿を一瞥して今日の献立を把握し、まずシャワーを浴びる。このころはもう忙しすぎて、ゆっくりお風呂になんて入れなかった。少しでも早くシャワーを浴びて、少しでも早くレンチンした夕食をかきこみたい。

それでも気付けば22時とかになっている。僕は食べたお皿をキッチンに運び、水を張ったたらいにお皿を沈める。こうしておかないと、油汚れが取れないといって妻がうるさいのだ。

そうして食事を終えた僕は、そのままキッチンでインスタントコーヒーを作り、ストックしておいた大好きなポテチを一袋つかんで自室に上がる。

ゲーミングチェアにもたれかかり、無線コントローラーを手に取り、ニンテンドースイッチの電源を入れ、スプラトゥーン3を立ち上げた。

(よし、今日はガチホコとガチエリアか。Xパワー更新するぞ)

Xパワーとは、ゲーム内の自身の戦績を数値で表した、いわば強さのバロメーターだ。1日のうちで唯一やる気になる瞬間、それがスプラトゥーン3のXパワーの更新だ。

勝てばプラス、負ければマイナスのこのルールは単純だが熱くなりやすく、僕はこのゲームに時間を忘れるほどのめりこんでいた。

気付けばもう3時。

(くそっ、結局パワー更新できないまま終わりか。もう寝ないと……)

最初こそ楽しくやっていたゲームも止めるときにはフラストレーションの方が大きい、なんてことはしょっちゅうあった。

そんなイラつきを抱えたまま洗面台に移動して、軽く歯磨きをしてコンタクトをはずして床に就く。

(ああ、3時間後にはもう起きないと……)

これが、僕の腐りきった1日だ。

……さて、どうだったでしょう。面白いかどうかは分かりませんが、ダメな中年オヤジの腐った日常はかなりリアルに描けていたのではないでしょうか。

僕はいま、これまでの自分と決別するために行動を開始しています。

とりあえずゲームは一旦止めました。ゲームをやめたらやめたでその分YouTubeを観たりしちゃってるので良くないこともありますが、とりあえず睡眠時間は5~5時間半は取れるようになりました。(本当はプラスあと1時間は欲しいですが)

そして、生活改善・体質改善に挑んでいます。この努力が、また続かず途絶えてしまわないように、恥ずかしいけれど過去の自分を小説風に記録し、暴露してみました。

これを最後まで読んでくださったそこのあなた、僕のこのザマを見て「こいつクズやん」「こうはなりたくない」と思ったのなら、どうか人生を前向きに生きてください。

あるいは万に一つもこの記事を読んで勇気づけられた人がいたならば、これ幸い。一緒に生活を改善し、よりよい人生を歩む行動を開始しましょう!

では、また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました